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[C956] 無題

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通過儀礼 その85

(本日3つ目の記事です)



朝起きてから、バスに乗り込んだ後も、オイラはな~~~んも考えていなかった。

ただ・・・

「行くだけ行って、さっさと帰ろう。早くおうちに帰りたい」

とだけ、ボンヤリと思っていた。

なんちゅうかもう本当に、疲れ果てていたんだ。

エネルギーが枯渇しきって、頭の中はほぼ真っ白。

余計なことを考える余裕・・・てか、余力なんて、全く無かった。

ある意味、瞑想状態に近いと言えば、近かったのかもしれない。

で、バスに揺られること数十分。

なんだかお腹が痛くなってきた。

どうしよう・・・

ウンチしたい!

やばいよやばいよ!!

こんなところでお漏らしは出来ないよ!!!

というわけで、滅多に呼ばないラファエルさんを呼んで、便意を抑えてくれるようお願いした。ら・・・

「大丈夫です。(降りる予定のバス停で)バスを降りたら、すぐに『森のイスキア』へ向かいなさい」

とは言われたものの・・・

お腹は痛いまんま。

不安な思いで窓の外を見ていたら・・・

あった! 

停車したバス停のすぐ後ろに、公衆トイレ発見!!!

けど、ここで降りちゃったら、次のバスはいつ来るかわからない。

で、降りる予定のバス停まで、どのくらい距離があるのかもわからない。

が故に、降りるに降りられず・・・

バスは発車。

したら・・・

なんと、次のバス停が降りるべきバス停だった。

さて、どうするか?

ラファエルさんの言う通り、そのまま『森のイスキア』へ向かうべきか?

それとも、一つ前のバス停まで歩いて戻り、出すものを出してしまうべきか?

その時点で、オイラの便意はもう一刻の猶予も無いと思われる状態だったので・・・

オイラはまず、出すものを出すことに決め、もと来た道を戻った・・・

つもりが・・・

だいぶ歩いてから気がついた。

どうやら最初の分かれ道を、間違って選択してしまったらしいと。

で、うんざりしながら元のバス停まで戻り、二股の分かれ道を選択しなおして進み・・・

やっと一つ前のバス停に到着。

公衆トイレで用を足し・・・

その頃には、前日作った靴擦れに貼っていた絆創膏は剥がれ、足は血だらけに。

残っていた絆創膏を貼り直して、『森のイスキア』目指して歩き始めたものの・・・

見知らぬド田舎の道を歩くのは心細く。

真っ直ぐに続く(わりと広い)その道の先には、それらしき建物は見えず。

このまま進んでもいいものか?

だんだん自信が無くなってきて・・・

もう一度、公衆トイレがあったバス停まで戻り、近くにあった売店で『森のイスキア』への道を聞いてみると・・・

やっぱり、自分が歩いていたその道が正しかったことが判明。

しかも! 「その道を進めば間もなく、公衆トイレもあったのに」と教えられ・・・

ラファエルさんの指示を無視した自分にガッカリ&うんざりしつつ・・・

足の痛みと疲労感で、感情はほとんど動かず。

ただ淡々と、同じ道を歩き続け・・・

途中、ミズバショウ池(だったかな?)に寄り道したりしつつ。

『森のイスキア』に到着!

(するまでに、いったい何キロ歩いたんだろう?(゜.゜)←遠い目)

「ちょうど昨夜宿泊した方々が初女先生の『おにぎり講習』を受けるところだから、一緒に見学したら良いわ」

とスタッフの方から薦められ・・・

思いがけず、見学。

している間・・・

淡々とおにぎりを握る初女さんを見ながら、わたしは、しみじみと思った。

ああ、この人は、奉仕によって生かされているんだな~って。

その頃、わたしはちょうど、こんな悩みを抱えていた。

『奉仕』することに異存は全く無いけれど・・・
現実問題として、『奉仕』=ブログで体験をシェアするだけではいつまで経っても自活できない。
『奉仕』しつつ自活するためには、いったいどうしたらいいんだろう?

この疑問への答えとして、『森のイスキア』に来ることを命じられたのだなと感じた。

初女さんがそうであったように、おまえもまた、『奉仕』することによって生かされることになる。

そう言われているのだと思った。

つまりそれが、この時 言われた「アナタは彼女の後継者だ」って言葉の意味だったんだという気がした。

が、例えば、同じことを、言葉を尽くして視えない方々から説明されたとしても、わたしはきっと、心から納得することまではできず、不安を一掃することは出来なかったろう。

視えない方々から何度同じことを言われるより・・・
佐藤初女さんの著書を全て読破するよりも・・・

実際に、『奉仕』することで生かされてきた人を目の当たりにすることで、その人と同じ空間に立ち、その人を感じることで、わたしは極々当たり前に、受け入れることが出来たのだ。

『奉仕』することによって、現実的にも生かされることになるのだという『事実』を。

で、受け入れた途端に気分がスッキリして・・・

本当に、心から、ここに着て良かった! と、思ったのもつかの間。

トイレ騒動で時間をロスし過ぎてしまったため、10分ほど見学したところでタイムオーバー。

帰りのバスに乗るために、お暇を申し出ることに。

したらね、スタッフの方が、講習中の初女さんに声をかけて、わたしを紹介してくださったのですよ。

けど・・・

初女さん、スタッフの方の言葉に「うんうん」とうなずいたものの、ノーリアクション。目の前にいるわたしの目を見ようともなさらない。

で、わたしは気まずいまんま、「突然押しかけてしまって申し訳ありませんでした。ありがとうございました」と、お詫びとお礼を言って、その部屋を出た。ら・・・

スタッフの方が追いかけてきて、初女さんが握ったおむすびを一つ、わたしに持たせて下さった。

更に、「最寄のバス停まで車で送って行きましょう」と言って下さり。

少し時間が出来たので、施設の2階も案内して下さった。

宿泊スペースである2階の窓からは、岩木山がよく見えて・・・

その時、スタッフの方と短い会話を交わした。

詳細はもう思い出せないのだけれど。

わたしが事前に連絡もせず、突然押しかけてしまったことを改めてお詫びしたら・・・

「よくあることだから、気にすることなんてないのよ。けど、良かったわ。昨日じゃなくて、今日来られて。今日は午後からラジオの収録があって、この部屋にも機材を運び込むことになっているの。だから、このタイミングじゃなかったら、施設の中を見ていただくことも、こうしてお話をすることも出来なかったと思うもの」

みたいなことを、その方は優しくおっしゃって・・・

わたしもね。

「はい。もし事前にご連絡して、状況をうかがっていたら、わたしきっと、ここには来なかったと思うんです。だから、連絡せずに新幹線に乗ってしまって、良かったなって・・・ここに来れて、良かったです」

岩木山を見ながらそう言った途端、なんだか涙がこみ上げてきて、困った。

で、慌てて誤魔化して・・・

『森のイスキア』に来た人が皆鳴らしていくという鐘を鳴らしてから、スタッフの方の車に乗り込んで、最寄のバス停まで送っていただき・・・

別れ際、(この記事に書いた)初女さんの記事が載っている雑誌をプレゼントしていただいた。

帰りのバスが到着するのを待つ間、持たせていただいたおむすびを食べながら、わたしはまた、気がつくことになった。

なぜ、初女さんがわたしに対し、あんなにもそっけなかったのか?

それはつまり、当時のわたしに一番必要なことだった。

自分に救いを求めてくる人に対して、『良い人』を演じる必要は無い。
初女さんがすることは、相手の話をただ聞くことだけ。
初女さんは何のアドバイスも、余計なリアクションもしない。

それはつまり、これから先、わたしが他人様と深く関わって生きていく上で、最も大切になるスキルであるように思えた。

何しろ・・・

わたしはあの『化学反応』の間中、必死に『良い人』であろうとし、相手のニーズに応えるためにはどうすれば良いのか? と(脳内で)右往左往し、かえって相手を刺激して、怒らせてしまっていたから。

また、わたし自身、この道を歩み始めてから、お送りしたメールに返信をいただけなかったりすることが数回あった。

で、その度に、自覚することになった。

ああ、わたしはまた、『依存』しようとしていたのだと。

誰かの承認を得たかったり、認めて欲しかったり、根底にそういう『依存心』があってお送りしたメールには、返信が無かったり、事務的な返信しかいただけなかった。

以前のわたしならきっと、相当に凹んでいただろう。

が、その時はただ、「ああ、また依存しようとしていたんだな」と気がついて苦笑した。

それだけだった。

ステージが上がれば上がるほど、先を行く人の対応は厳しくなる。

が、その厳しさは、『愛』だ。

そんな風に、以前なら気づくことさえ出来なかったささやかな『依存心』にも、厳しさの裏にある『愛』にも、ちゃんと気がつけるようになった自分を今、わたしは誇らしく思う。



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